Hanaの30代女性の恋日記

30代女性の恋

最後に見せた顔

ちょっとずつ慣れ始めてきた。

実はまだ、タテ君は、バイト先に在籍していて、有給消化をしている。

エプロンもそのまま

名札もそのまま

シフトにも名前が載ったまま。

そうだ…姿は無いのに

形だけは、まだ残ってる

昨日、タテ君のエプロンの名札を見て笑った。

思い出して笑えた。

初めて、笑えた。

居なくなってから初めて笑えたんだよ。

まだ、たまに涙が出るけど…

最後の私の顔は、泣き顔だった。

最後のタテ君の顔は、私を見ないようにしていた。

泣き顔を

見ないように

何で笑えなかったんだろう。

昨日みたいにタテ君を思い出して笑えたのに

何で本人の前では、笑えなかった?笑顔を余り見せなかった?

マスクが無かったらって思っちゃう。

エプロンを取りに来るらしい。

私が休みの時に来そうだな。

もう、顔見れないよね。

泣いた顔が最後なんて最悪だよね。失礼だよね。重いよ(笑)

でも、今なら、笑顔で緊張せずに話せそうだよ。

不器用な性格だね。

形が消えていくのは辛いな。

名前も忘れる

顔も忘れる

嫌だな。

温もり


手を握ったり、キスしたり、抱き合ったり、そんな恋人同士がするような事はしていないに、何故忘れられない?

まだ10日しか経って無いから?

凄く長く感じる。

居なくなってから、心に、ポッカリ穴が空いた。

長くて長くて

つまらなくて

たった半年

思い出って無いのに

ただ仕事をしただけ

それなのに何故忘れられない?

どうしちゃったかな私。

引きずり続けるつもり?

近くに住んでるのに

学校も知ってるのに

会えないんだから

悲しいね。

もしも、付き合ってたら、なんて

そんな悲しい妄想

でもタテ君の温もりを感じたかったな。

何も思い出が無いのは悲しすぎる。

何か欲しかった。

笑顔も

言葉も

私だけの何かが欲しかった。

温もりが欲しかった。

私だけのタテ君が欲しかった。

思い出す時間

仕事が終わり、1人家で過ごす。

寝るまでの、この時間。

いつも、タテ君を思い出す。

会いたくなる。

会ったら会ったで、また会いたくなって、顔を思い出しては泣くんだ。

夜の1人は、ダメだ。

悲しみで、変な事を書いてしまう。

1人の淋しさは嫌だ。

タテ君と二人で仕事をしているときも、話せない淋しさはあった。でも、顔が見れたから、話せなくても、辛くなかった。

今は、もう、顔だって忘れてきてるよ。

顔が見たい

声が聞きたい

あんな最後は嫌だ

ちゃんと、サヨナラしたいよ

もう、私の顔忘れてるかな

もう、私の声忘れてるかな

もう、私の事嫌いかな

私、顔見たら泣くかなぁ。